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靴とブーツにできるシワ『着衣とそのシワ』
本記事は書籍『シワの描き方マスターガイド リアルで美しいシワ表現を描く』の抜粋記事です。
ホビージャパン様から、ハリウッド映画のストーリーボードアーティストとして活躍するKelly Gordon Brine(ケリー・ゴードン・ブライン)先生が、シワの描き方を完全ガイドした1冊の一部をご提供いただきました。今回は靴とブーツにできるシワについて紹介します。
靴、ブーツ、スリッパにできるシワには、多くの共通点があります。スリッパ(かかとのある柔らかいもの)の場合、4カ所に大きなシワができます。足首の前側と後ろ側、つま先の上と下です(図9.35)。靴やブーツでは、靴底があるのでつま先の下にシワはできませんが、柔らかいスリッパや靴下ではこの部分にシワができます。
靴は、立った状態で足にフィットするようにデザインされています。この状態では、靴が圧縮されることはなく、シワもできません。しかし、歩いたり、走ったり、つま先で立ったりすると、つま先が反り、足指と足の間の関節部分で靴の上側が圧迫されます。この圧縮の結果、関節の上にあたる部分の革に円筒屈曲シワができます(図9.36)。足首にシワができるのは、一部のハイカットの靴だけです。
ブーツは、立った状態で足が固定されるような形になっています。足首や足の指を曲げたり伸ばしたりすると、すぐにシワができます。 つま先で立ったり、歩いたり、走ったりすると、足の甲側が圧縮され、つま先と足との関節の上に円筒屈曲シワができます。歩行中後ろになっている足では足関節の前部に、前に出ている足では足関節の後部に円筒屈曲シワができます(図9. 37)。
シワについて学ぶ上では、いろいろなシワを描いてみて楽しむことも大事です。図9.38では、いろいろなキャラクターの衣服のシワを想像しながら描いてみました。