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ポーズの定理: 1-4『ポーズの定理』
本記事は書籍『描きたいものを理論でつかむ ポーズの定理』の抜粋記事です。
漫画家の篠房六郎先生が、研究をかさねた美しいポーズの定理について、基本理論を説明するプロローグとチャプター1をご提供いただきました。
今回はチャプター1のセクション4の内容を紹介していきます。
Cパターンの解説
Cパターンの特徴
軸足の反対側の腰が高く上がったとき、
高く上がった腰側に上半身を倒し込みバランスを保った状態
立っていて、大きくバランスを崩したときに緊急的に現れる姿勢のパターンです。
片足立ちのポーズに多く、蹴りを放っているときや、階段を下りているときなどに現れます。
基本不安定なので立ち直り反応は大きく現れます。
軸足にかかる負荷はA、Bパターンより多く、あまり姿勢が長続きはしませんが、逆に片足にかかる負荷を活用し、足の筋肉や骨格をバネを押し込むようにして跳び上がるといった中国拳法の技もあります。
一方、座ったり寝転んだりしたときのポーズも大体このCパターンですが、こちらは姿勢が安定しているため、腕や頭部はあまり大きく動きません。
Cパターンの素体作例
Cパターンのポーズの特性
Cパターンでは、高く上がった腰の側に上半身が曲がってさえいれば、バランスは保てるので、そのとき腰椎が反ってようが前屈してようが、真横に曲がっていようが問題は無いため、バリエーションが色々あります。
また、曲がる角度も何処までいけばバランスが保てるのかハッキリとはしないので、A、Bパターンのように、肩の高さを特定して記すことができなくなりました。
下図においては同じCA左の姿勢でありながら、肩の高さがそれぞれバラバラでも、共通してバランスを保てています。
Cパターンでは、バランスをとりつつ、肩の高さも任意に調節できるので、下図の居合術などでは、③で刀を抜き出すまで、肩を水平のままなるべく動かさないようにして、相手に気取られないうちに抜刀を済ませることができます。
立った状態のCパターンの姿勢は、片足立ちかそれに近い状態なので、A、Bパターンに比べて片足に大きく負荷がかかり、不安定な状態です。
しかしそれゆえ、危うく見えるバランスが人の目を引き付けるためか、ポージングの世界ではCパターン、女性モデルには特にCAパターンが非常に多くなっています。
バランスを維持するために両腕も立ち直り反応で大きく動くので、自然と見ごたえのあるポーズにもなります。
また、腰を下ろしたり寝そべったりしたときもCパターンの姿勢になることが多いのですが、こちらは基本安定しているので、立ち直り反応が格別に強くなる、人体各部が大きく動くということはありません。
寝そべっているときは、基本床の反対側に身体が曲がっている、ということを覚えておくと、絵を描くときに非常に役立ちます。