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体の「バランス」を知る: DAY2-2 『ポージング練習で「発見」を得よう』
本記事は書籍『7日間で上達! さいとうなおき式お絵描きドリル』の抜粋記事です。
イラストレーターのさいとうなおき先生が編み出した、絵の上達のためのマインドについて、ポージングを解説しているDAY2をご提供いただきました。
単に練習するだけが上達の近道ではありません。まずは自分の絵を完成させてみて、そこから上達へのヒントを探してみましょう。
魅力的なバランスに「正しい人体構造への理解」はいらない
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自分にとっての描きたいバランスを見つけましょう
「このポーズ、なんか変だな」と感じるのは、人体構造の問題だと思い込んでいる人が多いですが、実はそうではありません。バランスの問題です。
例えば首の太さ。特に人体を勉強している人は、正しい人体構造にしなきゃ……という意識になりがちで、その結果顔はデフォルメ調なのに首はリアル寄りで太い、ということになってしまいます。また、顔と比べた時の太さは普通に描けているのに、体と比べた時に太くなってしまっていたりと、複数個所を同時に見比べられていないことも多いです。
だから、ポージングで「発見」をして上達していくためには、「人体の正しい比率」を学ぶのではなく、同じポーズの他人の絵と自分の絵を並べて比較したり、「なんかいいな」と感じる絵を真似する練習をしてみたりすることが大切です。僕がよくやっているのは、いいなと思った絵をトレースして、服の下の素体を想像して描く練習です。こうすることで、服に隠れて分かりづらかったバランスや体のひねりを発見することができます。
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正しい人体 ≠ 魅力的な絵
某人気ゲームの女の子キャラクターがとても魅力的だったので、体のバランスをトレースしてみたら、胴体が異様に短く頭より小さくて驚いたことがありました。それが魅力的なバランスに繋がっていたのだと発見できたので、ぜひ自分が魅力的に思うキャラクターはトレースや模写で描いてみてください。きっと何か魅力の理由が発見できると思います。